夏休みが始まって、お子さんが家にいると
ついつい宿題のこと言いたくなりますよね。
夏休み終わる頃になって、
慌てて宿題を始めるのはいいけど、
巻き込むのはやめて欲しいと
思いながらも、我が子じゃ突き放すわけに
いかないので、結局手伝わされるハメに。
特に自由研究だと大変ですよね。
自由研究が決まっていないようなら
今から始めるのにちょうどいい研究があります。
それは…
夏の自由研究に「小麦酵母」
自家製酵母です。
自家製酵母、今年は自家製酵母の
育成日記をつけつつ、パンを作ってみては
いかがでしょうか。
自家製酵母だとブドウやフルーツで
始めるのが一般的ですが、
小麦と水で始める小麦酵母というのも
あるんです。
今回は数ある自家製酵母の中から
比較的育てるのが簡単な小麦酵母の
育て方をご紹介します。
小麦酵母を育てるための準備
まず用意する材料と道具です。
材料は、
小麦全粒粉
水(浄水器の水かミネラルウォーター)
※湯冷ましはNGです。
次に道具です。
密閉できるガラス容器
ガラス容器だと発酵具合が外から
見えるので、観察しやすいので。
さて、準備ができたら、早速
小麦酵母作りです。
小麦酵母の作り方
まずは小麦酵母を育てる
容器を煮沸消毒します。
容器はしばらく使うので、
カビなどが生えないように
煮沸消毒してくださいね。
煮沸消毒してしっかりと
水切りしてガラス瓶が冷めたところで
作り始めます。
全粒粉 大さじ1を瓶に入れて
水 大さじ1を加えます。
1対1の分量で作るのでとろみが
ついた状態になります。
そこで全粒粉が粉として残らないように
水が行き渡らせたら、フタを密閉しないで、
若干空気が入るようにして
1日(24時間)放置します。
小麦酵母というのは、小麦についている菌と
空気中に浮遊している菌などがブレンドされて
小麦の中で成長していくんです。
ですから適度に空気に触れさせる必要があります。
1日目の作業はこれで終了です。
2日目になると、若干小麦の表面にボツボツと
したものが出来てきます。徐々に酵母が増えて
くるとこんな感じになるんです。
そこで追加で小麦と水を追加します。
小麦 大さじ2
水 大さじ2
2日目からは全粒粉でなくても
大丈夫です。
さらに24時間、部屋に放置します。
ここでも軽くフタをする程度にしておきます。
2日目は小麦が加わったので、
さらに酵母が増えてくるようになります。
ガラス瓶の外側からだと中に空洞が
できている場合があります。
それは酵母が出した炭酸ガスが作った
空洞です。
3日目あたりになると、かなり活発に
なってきているのではないでしょうか。
夏場は30度を超える日も増えてきますので
場合によっては、1日経ったら冷蔵庫でも
いいかもしれません。
30度を超える状態で放置すると、
酢酸菌が育ちやすいので、酸っぱく
なってしまうからです。
4日ほど小麦と水を加えて
放置ということを繰り返していくと
かなり小麦酵母の表面に気泡が
目立つようになります。
次は継ぎ足し(エサやり)です。
継ぎ足し(エサやり)とは
酵母は糖分を栄養源としています。
そこでブドウや果実で作る酵母の場合、
最初は果物の甘さを栄養源としますが、
使いきってしまうと糖分が足りなくなるので
砂糖を足して酵母を育てます。
しかし、小麦酵母の場合は、小麦の
デンプンが分解すると糖分ができるので
小麦を加えるだけでいいんです。
それにフルーツの酵母の場合は
液体なので、発酵すると結構勢い良く
発泡しますので、フタを開けると
炭酸のように吹き出すこともありますが、
小麦酵母の場合は、好みにもよりますが、
クリーム状のものかパン生地よりはゆるい
小麦の塊になりますからそのような
心配もありません。
ですから育てていても
かなりお手軽な酵母なんです。
少し話がそれましたが、
「小麦と水」の継ぎ足し(エサやり)は
間隔を空けるようにします。
2~3日に1回、3~4日に1回と
徐々に継ぎ足しのタイミングを
減らしていきます。
分量にすると
適当という人もいますし、
しっかりと図る人もいますが、
固めが好きなら、
小麦100%に対して
水 60~70%
ゆるめが好きなら
小麦100%に対して
水 80%程度で継ぎ足します。
いろいろとレシピもありますが、
結局自分の家の小麦酵母の状態に
合わせた継ぎ足しになります。
1ヶ月ほどすると、
いい香りがするようになってくるので
そうなったら完成です。
小麦酵母が酸っぱくなってしまったら
小麦酵母を育てていると、
酸っぱくなってしまうことがあります。
密閉して冷蔵庫に入れている状態で
酸っぱい場合は、空気が足りなくて
乳酸菌発酵が進んでいます。
多少乳酸菌を優位にして、酸性度を
高くすると雑菌が繁殖しにくいようですので、
適度な酸っぱさであれば大丈夫です。
しかし、酸っぱい状態の酵母でパンを作ると
酸っぱいパンが出来上がるので、
もし酸っぱい状態になってしまったら、
通常の2~3倍の小麦と水を足して
リフレッシュをします。
そうすると不思議なぐらいに酸っぱさが
落ち着いてきます。
先ほどご紹介した酢酸菌が増えた
酸っぱさの場合も同じようにリフレッシュを
試しますが、もし酸っぱさが解消されない
場合は諦めて作り直します。
自家製酵母の試し焼き
自家製酵母作りも2週間程度過ぎると
小麦と水の継ぎ足しで結構な量に
なってくるかと思います。
継ぎ足し用の酵母を残して
残りは捨てます。
しかし、せっかく育ててきたし、
捨てるのもったいないと思いますよね。
そんな時は、試し焼きをしてみます。
パン作りの練習にもなりますから。
パンレシピを見ると、
小麦酵母から作るパンレシピは
ほとんどないのですが、
小麦酵母をぬるま湯で溶かしてから
小麦に足すようにしています。
酵母液と同じような扱いにしています。
それから発酵時間ですが、
小麦酵母完成前の場合は、少し
長めに発酵時間を取ります。
パンの材料を混ぜて、
2~3時間程度放置して
生地が2倍程度になったら
冷蔵庫に入れて2~3日程度
寝かせます。
小麦酵母を作っている場合、
まだまだ安定していなくて弱いので、
発酵にも時間がかかるためです。
2~3日程度経つと、
酵母が小麦を分解して糖分を
栄養にして発酵を始めるので
香りが少し良くなります。
そうなってから2次発酵して
パンを焼くと美味しいパンが
出来上がります。
夏休みの最後の日に完成した
小麦酵母で作ったパンを焼いて
家族みんなで楽しんだら、
自由研究としての題材としてだけではなく、
思い出作りにもいいのではないでしょうか。